占い師コラム

間違いに要注意!盛り塩の正しいやり方はこれ第126回 アイフィール先生

盛り塩とは

盛り塩

白い小さなお皿に盛られた、円錐形の盛り塩。盛り塩は、塩が本来持つ清めの効果から、邪気払いや運気の向上に使われたり、厄除けや魔除け、商売繁盛のための縁起担ぎにまで使われることがあります。部屋や玄関の隅に置かれることがほとんどなので、日常生活ではあまり目に入ることはないかもしれませんが、神棚や神社でお供えされているものを目にしたことがあるのではないでしょうか。

この盛り塩は、正しい使い方をすればその目的通り、自分や家族、家そのものをやっかいなトラブルから守ってくれたり、運気の上昇や商売繁盛に繋がったりするのですが、間違った使い方をすれば、効果がないばかりか、マイナスのものを引き込むようになってしまいます。そこで、まだ盛り塩をしたことのない人はここで正しいやり方をしっかり覚え、すでに行っている人は自分のやり方が間違っていないかチェックしてみてください。

そもそも盛り塩のルーツとは

やり方をご説明する前に、簡単に盛り塩のルーツについて触れておきます。盛り塩は中国の2つの故事に由来するとされています。1つは今から1300年前、武帝という王が後宮で女性を訪ねる際のことです。武帝は自分では選べないからと、その晩の宿を羊車の羊が止まったところにするという方法で決めていました。それに目を付けた、後宮に住む胡貴嬪という女性が、羊の好きな竹の葉に塩水をかけ門の前に置き、武帝を招き寄せ寵愛を独り占めしたという話です。もう1つの故事は、内容はよく似ているのですが、秦の始皇帝の話になります。始皇帝には3000人以上の沢山の女性がおり、訪れる女性を毎晩自分で選ぶのが大変になったため、牛車に乗りその牛が止まった場所を晩の宿としていました。そこで賢い女性が自宅の前に牛の好きな塩を置き、牛車を止め寵愛を受けたとされています。両者の故事からは、盛り塩が邪気を払い、チャンス、またはそれを与えてくれる人を招くものだということが示唆されています

これとは別に、盛り塩が神事や仏事から来たのではないかとする考え方もあります。神道では神棚に盛り塩を備える風習があり、仏教においては葬式後に塩をまく風習があるからです。こちらは浄化作用としての、魔除けや厄払いの意味合いが強くなっています。

日本でのルーツとしては、奈良・平安時代に人々が家の戸口に塩を盛り始めたのが始まりとされています。大陸より客足を止める縁起物としての盛り塩が伝わり、習慣となったようです。また、当時たいへん貴重かつ神聖であった塩を家や敷地内に持っておくことにより、その力が土地や家、そこに住む人々に宿るとも考えられていました。

盛り塩に使う「塩」の選び方

ここからが、実践的な正しい盛り塩のやり方になります。まずは肝心要となる、塩そのものの選び方からご紹介します。塩は「天然塩」または「岩塩」を使用します。けっして調理用の塩、精製塩などは使ってはいけません。時々盛り塩用の塩が販売されていますが、塩には人の邪念がこもりやすいので、顔の見えない通販サイトなどで買うのではなく、できる限り伝統のある神社やお寺で販売されている「清められた塩」を買うようにしてください。

あと、くれぐれも盛り塩に使った塩は食べないでください。せっかくの良い塩を…と思う人がいるかもしれませんが、塩にこもった邪気をそのまま体内へと入れてしまう、たいへん危険な行為です。

塩を盛る「皿」の選び方

こちらは塩ほど厳密に選ぶ必要はありませんが、できれば直径5cmくらいの小皿で、真っ白な無地の陶器が良いでしょう。文字や装飾があると、そこからよくない力が出ていることがあるので、白色の無地が無難です。もしもお皿を用意することが難しければ、正方形の無地の白い紙を敷いて、盛り塩しても大丈夫です。

塩の量と形

盛り塩に使う塩の量は多ければ多いほどいいというわけではなく、だいたい1度に10~15gほどにしてください。よく見かける、きれいな円錐形で盛りたいと思えば、先に厚紙などで円錐形を作り、その中に塩をしれて形作るのが良いです。しかしながら、この円錐形の盛り塩は風水の中で使用される形であり、浄化作用を求めるのであれば、特に決まった形はありません。少し盛ったように置くだけでも大丈夫です。

設置場所

効果的な置き場所は、家の鬼門(北東)です。不浄なもの達は鬼門(北東)から入り裏鬼門(南西)へと流れて行くので、その入り口である鬼門がお勧めになります。しかしながら、鬼門は家や部屋の正確な中心点を割り出し、そこから方位を確かめなければならないので、間違って置いてしまう可能性も否めません。もし間違った場所に置いてしまうと、効果がないばかりか、逆に良くないものを呼び込んでしまうこともあります。方位に自信がなければ、むやみに設置しないほうが良いでしょう。

わかりやすい設置場所としては、家の四隅、敷地の四隅、玄関などがあげられます。家や敷地の四隅に盛り塩を置くことで、家の気、土地の気が安定します。また、勉強部屋の四隅に置けば集中力がアップし、寝室の四隅に置けば安眠効果を得ることができます。玄関やお店の入り口に盛り塩を設置すれば、外からの悪い気や厄が中に入ることを防げ、良い来客や幸運を呼び込むことができます。

しかし、玄関に盛り塩をする場合には、一点だけ注意してほしいことがあります。玄関の盛り塩は、家の中にある悪い気を外に出られなくしてしまいます。家の中に悪い空気を感じた場合には、ただちに盛り塩をやめるようにしてください。

塩の交換時期

盛り塩の塩は定期的に交換しなければなりません。悪い気や穢れを吸った塩をそのまま置いておくと、そこに不浄なものが溜まってしまうことになります。ですので、盛り塩は週に1回、最低でも10日に1回は取り替えるようにしましょう。できれば毎日取り替えるのがベストです。

さらに、もし自分で決めた取り替えのタイミングでなかったとしても、塩の色が変わっていると感じたときや、変な固まり方をしていると思った場合には、すぐに新しい塩に変ええるようにしてください。普段以上の邪気を吸い込んでいる可能性があります。

使用した塩の捨て方

交換した古い塩はゴミ箱に捨てるのではなく、トイレやシンクなどの流しに流すようにしましょう。もしどうしてもゴミ箱に捨てたい、捨てるしかない場合は、すぐにそのゴミ自体を家の外に出し、破棄するようにしてください。家の中に置いておくと、塩が吸い込んだ悪い気をその場で放出してしまう恐れがあります。先に一度触れましたが、使用した塩を食べたり、何かに再利用したりすることも、厳禁です。


これで正しい盛り塩のやり方がわかっていただけたと思います。もし、何かを浄化するために盛り塩をしたいと考えているのであれば、他の塩を使った方法も効果的です。お風呂に塩を入れて入浴する塩風呂や、塩をポケットなどに入れて持ち歩く懐塩なども実践してみると良いでしょう。